遺言は、法律に定めた形式に従って書かなければ効力がありません。
遺言の主な種類は、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言で、それぞれの遺言の型式、特徴は以下のようになります。
公正証書以外の遺言は、家庭裁判所の検認手続が必要です。

遺言を残そうとする者が、文章の全文、日付、名前を自署し、印を押します。
全文に関して:自署なのでワープロ等での作成は認められません。
◆他人の添え手による補助を受けてされた自筆遺言であっても、添え手をした者の意思が介入した形跡が筆跡の上で判定されれば無効とされます。
◆カーボン用紙で複写して記載した場合でも自署として認められます。
日付に関して:
◆日付が真実の作成日付と異なっていても、その間違いが遺言書の記載等から容易に判断できる場合は有効となります。
◆「何月何日吉日」のような日付が特定できない記載は無効となります。
氏名に関して:
◆他人との混同が生じないのであれば、氏又は名のみの記載でも有効です。
押印に関して:
◆拇印その他指頭に墨、朱肉等を付けて押印したものも有効です。
自筆証書遺言は自らの意思で書くことが出来るため、いつでも思い立った時に書くことができます。遺言の内容も他人に知られることはなく、費用も用紙代くらいです。
しかし、法律の知識のない人が書いた場合、様式に反してしまっていたり、保管は自身でしなければならないため、紛失、発見されない危険が伴います。

証人二人以上の立会いのもと、遺言者が、遺言の内容を公証人に口授(くじゅ:読んで聞かせる)します。
公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者に読み聞かせ、または閲覧させます。
遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押します。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができます。
公証人が、その証書は上記4つに掲げる方式に従って作った旨であることを付記して、署名し、印を押します。
=証人の立会い=
証人は署名、押印する際にも立ち会わなければなりません(遺言を作成中ずっと立ち会わなければならない。)。
=口授(くじゅ)=
公証人の質問に対し、遺言者が言語をもって陳述することなく、単に肯定または否定の挙動を示したにすぎないときは、口授があったとはいえない。
公正証書遺言は、証人、公証人の立会いを経るため、遺言の内容が明確になり、一番紛争の少ないものになります。
原本も公証役場で保管されるため、変造、紛失のおそれはほとんどありません。
ただし、遺言の内容が証人と公証人に知られてしまうことと、公証人への手数料が必要です。
また、家族や公証人と一定の関係にある者は証人、立会人になることはできません。
公平な立場の証人、立会人を捜すのは困難です。行政書士などの法律の専門家を指定した方が安全です。
●公正証書遺言の記載例はこちら>>>

自筆証書遺言と同じように、遺言者が、全文、日付、氏名を自署し、印を押し、証書に押したものと同じ印鑑で封印します。
遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自分の遺言書である事、氏名及び住所を伝えます。
公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押します。
秘密証書としての要件が満たされていなくても、自筆証書としての要件が満たされていれば遺言は有効となります。これは、遺言書をなるべく無効にしないようにする配慮です。
自筆証書遺言に公証人等の立会を経て信用性を高めるものです。
秘密性は高いのですが、保管は本人のため紛失のおそれがあります。
また、遺言をしたこと自体が証人、公証人に分かってしまいます。